1年ぶりに AWS Nitro に想いを馳せてみました #reInvent #cmregrowth
コンバンハ、千葉(幸)です。
先日 行われた CM re:Growth 2021 Online で登壇しました。
冬、それは AWS Nitro について想いを馳せる季節です。
イベント動画
わたしのパートは 34:24 くらいから始まります。緊張してるのかめちゃくちゃ鼻を触ってます。
登壇資料
ちょうど1年前に Nitro を語った昼
昨年の re:Invent 2020 の振り返り会である、 re:Growth 2020 Online インフラ特別号において AWS Nitro に想いを馳せるセッションで登壇しました。
それからちょうど……大体ちょうど1年が経ったので、改めて Nitro のことを考えてみました。12 月のイベントと言えば「クリスマス」「大晦日」「Nitro に想いを馳せる」ですよね。
そもそも Nitro とは何か
AWS Nitro は EC2 を裏側で支えているシステムです。裏側である故に、カスタマーとして EC2 を利用する上ではそこまで意識する必要がないシステムでもあります。
2017年に登場した C5 以降のインスタンスタイプはすべて AWS Nitro をベースとしており、パフォーマンス、セキュリティ、新しいインスタンスタイプの発表速度の向上に寄与しています。
Deep dive した内容は 2020 のセッションレポートを書いていますので、あわせてご覧ください。
今年も同名のセッションが発表されているので、近日中にセッションレポートを書きます。
re:Invent 2021 における AWS Nitro の新情報
AWS Nitro SSD
特定のインスタンスタイプで使用できるローカルストレージとして AWS Nitro SSD が採用されました。厳密にはここでの Nitro SSD は第二世代にあたるとのことです。EBS ボリュームで使用できるものではないので間違えないようにしましょう。
Xen on Nitro
Nitro 登場以前の、 Xen ハイパーバイザーによって提供されていた旧世代のインスタンスタイプに対する長期間サポートとともに発表されました。
旧世代のインスタンスをホストするハードウェアごと AWS Nitro がエミュレートし、カスタマーやアプリケーションから見て透過的である(土台が何であるかを知れない・知る必要がない)とのことです。Xen on Nitro への移行はシームレスであり、スケジュールされたメンテナンスで再起動をするだけで移行が完了するとされています。
ちなみに旧世代である Xen ベースのインスタンスを利用しているユニークカスタマーはいまだ120万社いるらしいですよ。
AWS Nitro TPM
従来 EC2 では TPM(Trusted Platform Module)はサポートされておらず、TPM に依存するアプリケーションや OS を EC2 に移行する上での障壁になっていました。
AWS Nitro によって EC2 が TPM を使用できるようになり、従来の TPM 依存のワークロードを最小限の改修で移行可能とします。2022年に登場するとのことです。
re:Invent 2021 で Nitro について知れるセッション
資料で引用したのは以下セッションの情報です。
Building on 15 years of compute innovation(CMP218-L-SGT)
The journey of silicon innovation at AWS(CMP301)
12/7に視聴可能になった以下セッションではより詳細に AWS Nitro について取り上げられています。
Powering next-gen Amazon EC2: Deep dive on the Nitro System (CMP302)
こちらの情報は今回の資料に取り込めていないので、また別途セッションレポートを書く予定です。
そしてオンデマンドでは視聴できないようですが、CMP335-R2 でも Nitro について語られたようです。聞いてみたかったです。
今年の Nitro 今年のうちに
今年も Nitro について想いを馳せました。
別に知らなくてもいいんですよ、Nitro。
カスタマーが Nitro を触ることはできなくて、せいぜいインスタンスタイプを選択する際に「Nitroベースかどうか」を意識するくらいです。それも 2018 年以降に登場したものはすべて Nitro ベースなわけですから、ほとんど意識する機会はないでしょう。
でもそんな知らなくてもいいことを知るというのはとても贅沢な行為であり、re:Invent というのは Nitro について語られる数少ない機会です。1年に1回くらいは想いを馳せていきたいですね。
それでは来年の冬にお会いしましょう。
以上、 チバユキ (@batchicchi) がお送りしました。